2009年10月25日日曜日

気球に乗った日

真っ青な空、ロッキー山脈をバックに思い思いにふわふわと浮かぶ色とりどりの熱気球。いいなあ、いつか乗ってみたいなあ、と思うことはあっても機会がありませんでした。

会議の後、週末をここで過ごしていたイタリアからのお客さま、せっかくの滞在の思い出に、ついてはヘリコプターで渓谷を飛びたい、との希望。が、これは5月から9月までしかサービスがなく、断念。そして、彼らがその朝空を見上げて見つけたのが・・・気球!さっそく私の携帯にテキストメッセージがはいり、一緒に気球に乗ろうよ!!とお誘い。本当に元気な人たち。人生なにごとも経験、とこの際私も気球に乗ってみることに。心配性のジャックは、大丈夫?事故でもあったら、と不安そうでしたが。

さっそく「気球を飛ばす会社」に電話してみたところ、翌日の早朝、まだ空席あり、とのこと。朝7時15分集合。これでも遅いほうだそうで、夏場は朝5時でないと風、気流が変って危険になるため、早朝からしか飛ばないんだそうです。それもそうだ、と納得。

前夜も皆で街に繰り出し、飲むわ踊るわ、で帰宅は午前2時前、の私たち。眠い目をこすって起床。間違ったアドレスの場所に向かってしまう、などハプニングもありましたが、なんとか間に合ってボルダーの北のはずれの原っぱに集合。けっこうな人が集まっています。
「離陸前はコーヒーとPastryのサービスと着陸後はシャンパンで乾杯、がありますよ!」なんていわれて期待して出かけたイタリア人2名、在米日本人(私)1名。寝不足で、コーヒー!!!と(普段はエスプレッソだろうに)、と勢いづいていた彼らは、ポットに入れられたただのコーヒーと、スーパーで買ってきた、としか思えない、プラスチックのパックに入って並べられたただ甘そ~うなPastryに目が点になっていました。皆で手伝いながら、気球に空気をいれ膨らませていきます。それにしても手がかじかむくらい寒い・・・最後にいよいよバーナーに点火し、熱で完全に膨らませます。あったかくなって私は嬉しい。

10分前後で気球があっというまに大きくなります。かごには燃料が積んであり、気球が膨らみ、90度にあがった時点で、つぎつぎと乗り込みます。私たちのかごはパイロットいれて6人。思ったよりかごの中にはスペースがあります。もちろんみな立ちっぱなしですが。
この日は、1年でも数日しかない、風のない暖かな快晴。気球乗りには絶好なお天気だそうです。野原につぎつぎと気球があがっていきます。気球を上げる準備を見るのは初めてみたし、いい気分です。ちょっとカレンダーの写真の中にいるみたいな・・・晴れているので、暖かく、下にいたときの寒さとは大違いの快適さ。
そして、3千フィートの上空をふわりふわりと風の向くまま1時間あまり、漂います。この日はほとんど無風だったので距離はほとんど動いていません。空の上は・・・・・静かでした。ほんとうにしずかで、ひそひそとおしゃべりをしていた私たちも、そのうちしん、黙りました。なんというか、とても癒された時間。でした。ぼけ~っとできました。空の上は、陸の上とは違った、ゆっくりとした時間が流れています。
かごの中に2つ、セットしてある燃料タンク。だいたい2時間くらい持つそうです。そういわれると、なんだか怖いような。
着地する直前の私たちの影。トランシーバーで着陸場所を連絡しあって、着陸を手伝い、もとの場所まで車で送り届けてくれます。想像していたのと違ってほとんど揺れず、とても安定した飛行でした。はい、シャンパンで乾杯も、しましたよ。私は口をつけただけ。
文字通り、雲ひとつない真っ青な秋のコロラドの空を漂う、という、不思議で忘れらない経験をした日でした。なんだかほかほかした気分で野原を後にしました。3人とも満足で、いい思い出ができました。つぎは春に渓谷ヘリコプターかあ・・・彼らはいまからとっても楽しみにしておられます。

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