母が大好きだった雑誌『暮らしの手帖』のエッセー「すてきなあなたに」を集めた単行本です。私の宝物です。ちょうど私が生まれた年あたりから掲載され始めた「すてきなあなたに」には、これ、といったテーマがあるわけではなく、季節の話題、食べ物、ときにはレシピ、感動したこと、出会った人や、戦争について、など。書いている人も何人かがばらばらと、海外在住の方も含めていらっしゃって、代わりばんこに寄稿しているようです。それぞれ女性で、その方面では名の知れた、きちんと仕事をしている方々のようです。今年、5巻がでました。私は、その都度どうにかして買い求め、こちらにすべて持っていてすぐに手が届くところにおいてあります。
多分はじめて購入したのは、10年くらい前。この本がなかったら、どう乗り切っていただろう、という局面はとくにアメリカに来てからは数えきれないほど、ほんとうに毎日のように、ありました。とりたてて大げさに何かを主張しているわけでもなく、美しい日本のことばで、簡潔に、毎日の幸せや、忘れてはいけないことを、丁寧に淡々と書いてあります。月別になっています。派手ではないけれど、力のある本です。背筋がのびた気分になれる、というか、ね。
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